フードって皆さんつけてますか?
逆さ付しているとズームリングやピントリングを操作しづらかったりしますし、付け替える手間を考えるとそもそも使わないこともあるでしょう。普通に装着してもフルサイズのレンズなどはレンズだけでも大きいのにフードのおかげでさらに巨大になって取り回しが悪くなってしまいますよね。
とはいえ、太陽などの強い光によるフレア・ゴーストによる画質低下を抑えてくれるだけでなく、マクロレンズなんかは近づきすぎを防止してくれたり、さらにはレンズ面が引っ込むことによるレンズ面の保護も担っている凄いヤツ。
それがフードです。フードをつけて初めてレンズの真価が発揮できるという人もいるくらい大事なんですよ。
とはいえ…やはり邪魔に感じることもしばしば。…そんなことを考えていたある日、
「ゆきおみさん、こちらの製品モニターしてフィードバックをいただけませんか?」
というご提案をいただきました。「モニター用のサンプル品を使って私が感じたことを率直に記事にさせていただきます」ということもご了解いただいて有難い限りです。
と、そんなわけで我が家にやってきたKUVRD(カバード) ユニバーサルレンズフード。
あんまりにも楽しみで速攻Sサイズの方は開けちゃいました(笑
こちらの製品は4/2よりクラウドファンディングMakuakeにて先行予約が始まるそうです。
さて、先に結論から申し上げておきましょう。
ポイント
- 大口径単焦点・サイズの大きめの単焦点
- インナーズームのズームレンズ・長さの変動が少ないズームレンズ
をお使いなら激しくお勧め。逆に、
ポイント
- パンケーキレンズ・小さめの単焦点
- 鏡筒が(かなり)伸びるタイプのレンズ(高倍率ズームやマクロ)
をお使いの方だとちょっと微妙。
向いている人、向いていない人いますので僕が感じた使い勝手や魅力、弱点・デメリットなど参考していただけると幸いです。
ユニバーサルレンズフードの特徴
見ての通り、シリコン素材でできた形状が維持できるフードです。Sサイズのサイズ感はこんな感じです。
魅力としては
ポイント
- ガラスの映り込みが消える
- 折り畳めるので邪魔にならない
- 様々なレンズに取り付け可能
- レンズ保護力が高い
といった点。
ひとつづつ詳しく解説していきます。
ガラス越し撮影の必需品
公式画像ですが、装着すると上のような感じになります。一体どこで真価を発揮するか。
例えば旅行に行ったりするといろんな建造物を登ったり建物に入ったり、乗り物で移動したりすると思います。
函館なら五稜郭タワー、横浜ならランドマークタワー。東京スカイツリーやあべのハルカスの展望台ハルカス300。もちろんそういった観光スポットだけでなく、雰囲気のいい旅館やホテル、水族館に動物園。移動中の飛行機の中、電車の車窓、バスの中…。
シャッターチャンスはどんな状況でも訪れますが、すべてに共通している事があります。
そう、ガラス越しなんです。
高いタワーなどで街並みを見渡すとき、柵では開放感がありませんので大きなガラスで囲ってありますし、水族館では美しい海の生物たちも水圧に耐えれる分厚いガラスの向こうです。飛行機の窓の外に絶景が広がっていても窓は絶対に開きません。
一度でも撮影したことがある方ならわかりますよね。そう、ガラスに反射して綺麗に撮れないってこと。先程の車の運転席の写真、ユニバーサルレンズフード無しで撮影すると…
はい、めちゃめちゃ反射してます。
撮影する向こう側が暗ければ暗いほど絶望的に反射します。夜中に明かりをつけた室内から外を見たって何も見えず自分がみえるあの状況です。
これを解決できるのがこのユニバーサルレンズフードの特徴。あっち側が暗いならこっち側も暗くしてしまえばいいわけです。
フードをガラスに密着させる事でカメラに余計な反射光が入らないようになり、クリアなガラスの向こう側を撮影できます。
全然違いますよね?
もちろん柔らかい素材なのでガラスに傷をつけることはありません。
柔軟な素材による圧倒的な機動力
レンズフードってレンズから取り外すとめちゃめちゃ場所とりますよね。
プラスチックで硬いしレンズ径より大きいわけですから。
ですが、ユニバーサルレンズフードは形がどんな形にも変形できるシリコン素材。
装着するときは引っ張って伸ばして装着するだけ。邪魔になったらぺったんこに潰してポケットにでも突っ込んでおけばいいでしょう。レンズに装着して反対側に折り畳むのもOK。傷がつく心配もなければ、まったく大きさも邪魔になりません。
結構ぐちゃぐちゃ、何なら子供達にもみくちゃにされましたけど、一切形が崩れてしまうことはありませんでした。
これだけ形の柔軟性があればレンズに常に装着していてもいいし、カバンの隅っこに突っ込んでも問題ないはず。
どんなレンズにでも取り付け可能
レンズによってはフードを装着していた方が光学的に優れているのにもかかわらず別売りだったりしますよね。
値段を安くするための苦肉の策なので十分理解はできますが、そのレンズのためだけに専用フードを買うってのもなんか癪。(しかも純正品はやたら高かったりする)それが複数レンズあったりすると…なかなか高額の出費になるんだな、これが。
素材がシリコンのユニバーサルレンズフードは柔軟性・伸縮性があるので径の違うレンズに同じフードを装着することができます。
つまりレンズごとにフードをつけるのではなく、全てのレンズを一つのフードで済ませることができるってこと。荷物も減るし、出費も減らすことができます。
もちろん、レンズによってはフードの長さが合わず4隅がケラレてしまう(フードが映り込む)こともあるでしょう。
超広角レンズFE 16-35mm F4では取り付け位置によっては4隅が真っ黒になってしまったので下の状態で使っています。
操作リングが隠れていますが、全くケラレず、問題なくズーム操作可能ですよ。
レンズ保護の決定版
フードって傷がつきやすい。
しょうがないですよね、レンズで1番最も外側で最も先端についていますから、ふとした瞬間に柱に当たってしまったり壁にぶつけてしまったりというのはよくあると思います。日頃フードをつけていないとなおさら。長さの把握を誤って振り向き様にゴツン!とか…。
その点、ユニバーサルレンズフードはシリコン製なのでぶつかっても柔軟に衝撃を受け流します。このフードに限って傷だらけになる心配は一切ありません。また、レンズ自体をぶつけてしまう時もほとんどの場合、最初に当たるのはフードです。柔らかくクッション性のあるシリコンですからレンズへのダメージを減らしてくれるでしょう。
また逆向きに折り畳むことで二重のレンズ保護カバーに早変わり。なるべく傷をつけずに、使い勝手も諦めたくない。そんないいとこ取りのフードになっています。
おまけ ユニバーサルレンズキャップが素敵すぎる
なお、サポートの種類によってユニバーサルレンズキャップも同時に手に入れることができます。
過去にクラウドファンディングで購入できたのですがかなり評価が高かった製品で、何がいいって、大きさをほぼ変えることなく完璧にカバーされている点です。
わざわざ大きめのレンズケースを用意せずに済みますし、使うスペースは最小限。ほとんどスペースを使うことなくまったく傷に怯える必要がなくなったのでとってもお勧めですよ。
僕の使い方は?というと2つ使って上図のように小型ズームレンズFE 28-60 F4-5.6が封印されてバックの中で転がってます(笑)
持って行ってると安心みたいなレンズ、ありませんか?日頃使わないズームレンズや、唯一無二の超広角レンズ、寄れるマクロレンズや独特の描写のオールドレンズ。
何気ない瞬間にあー、あのレンズ持ってくればよかったという瞬間を減らせるはずですよ。
弱点・欠点・デメリット
さすがに欠点のない製品はありません。
気づいたことをどんどん追記していきますね。
レンズの操作部を隠す場合がある
まぁ見たまんまです。
図はSIGMA 24-70 F2.8 DG DNと並べていますが、通常の取り付け方だとスイッチ類すべてが隠れてしまいます。フードの蛇腹部分を1段だけ畳む、みたいなちょっと面倒くさいことしないといけないので実用的か…といわれるとちょっと微妙かもしれません。
また、可変NDフィルターやC-PLフィルターなどを動かすなら一度フードを畳むか外さないとなかなか回せません。(レンズ径とフィルター径にもよりますけど)上位機種のフードなんかはフード自体にフィルターを回す用の小窓がありましたけど、そういった小技も難しいですね、フィルターに密着しているのがほとんどなので。
また、AFの使用できないオールドレンズなどは操作系(特にピントリング)がすっぽり隠れてしまうと撮影のテンションが下がる可能性も高そうです。そういう意味では向いていない撮影環境もそれなりにありそうです。
レンズ性能を発揮できないかも
レンズの数と同じくらいフードって種類があります。
もちろん複数のレンズに同じフードが取り付けられることもありますが、そういったものではなく専用フードが存在するレンズについてです。
上の写真のように花形フードになっていたり、そもそも取り外しできないフードもありますが、これは「そのレンズを100%性能を発揮できる形状」だと言えます。特定のレンズでケラレるギリギリを攻めた専用フードと汎用品であるユニバーサルレンズフードが全く同じ性能になるとは思えません。
ちょっとした角度でフレアやゴーストがでてしまったり、ある特定域にズーミングした時にケラレてしまう状況は十分にあります。
全てのレンズを試すことはできないのでこればっかりは実際に使ってみるしかありませんけどね。
高倍率系のズームレンズには微妙
ズームレンズの大半がズーミング操作によってレンズの全長が変わります。
具体的にいうと、レンズ先端部が内側の鏡筒になっており伸び縮みすることで焦点距離を変えるような仕組みなんですが…これがこのユニバーサルレンズフードには相性が悪い。
見ての通り装着するために1cmほどレンズに密着する必要があるのですが、伸びる鏡筒に装着するのは難しい場合が多いです。上のように無理やり装着しましたが…。
28mmでこんな感じ。
50mmでもこれくらいケラレています。
結果として伸びない方の鏡筒に装着しなければならないのですが、ズーミングすることでフードを超えてしまいます。
無念。。
こうなってしまうとフードとして意味を成しません。ただのレンズ保護カバーに格下げです。
同じ理由で近接でピント合わせのできるマクロレンズはレンズ先端が大きく繰り出す場合が多く、この場合も難しいかもしれません。
超広角のFE16-35mm F4はうまくいきましたが、残念ながら全てのレンズに対応できるわけではなさそうです。
シリコンにも限界はある
いやぁ、やっちゃいましたね…モニター品を壊してしまった…泣。
無理やり引っ張るとさすがに破損します、だってシリコン素材だもの。特に密着部のみを爪でつまんで引っ張るような取り付けは危険。上の写真の場所にかなりの力が加わってしまいますので、なるべく均一に力が逃げるように取り付けてあげてください。
一応参考までにお伝えすると、僕はSサイズ(54-76mm対応)のユニバーサルレンズフードをフィルター径67mmのFE 35mm F1.4 G Masterに装着する際に破損しました。
…はい。フィルター径67mmで完全に油断していたわけです。このレンズ、実際のレンズ外径は76mm。
つまりSサイズ(54-76mm対応)はギリギリもギリギリだったわけです。かなり慎重に装着すべきでした、ラフな引っ張り方はご法度な状況でしたね…。
このユニバーサルレンズフードの取り付け径はフィルター径ではありません、レンズ外径です。必ず取り付け前に公式ページで自分のレンズ外径を確認してくださいね。
みなさんが僕みたいに勢いで速攻で破損させないことを祈っております…。
まとめ レンズ相性はあるが装着できるなら最高に便利
相性次第なユニバーサルレンズフードですが、最もよく使うFE 35mm F1.4 G Masterに僕は装着しっぱなし。
Mサイズを装着すると結構でかいのでフードを守るフードみたいになっちゃってます(汗)ピントリングを全部覆うくらいだと若干隅に影が見えたので操作部が隠れないギリギリでちょうど良い感じ。ここら辺の調整はもし純正フードがあるならそれを参考にしながら取り付け位置を調整するといいでしょう。
さて、僕は4月中に水族館に行きたいなーと考えています。
前回カニだクラゲを撮った時にはガラスの反射がちょっと気になってあまり楽しめなかったので…大活躍を期待。駅ビルからガラス越しに風景を撮ってみたいな、とも思うし、動物園でライオン撮りたいし、暗い部屋にいたフクロウやヘビ・カメあたりも撮ってみたい。
ちょっと便利グッズがあるだけで撮影モチベーションってこんなに上がるんですね、驚きです。
そんなカバードの製品は4/2からMakuakeにてクラウドファンディングが始まります。システム上、特別割引や特別セットは早い者勝ちとなりますのでご注意ください。
ユニバーサルレンズキャップは安心と描写が一緒に手に入るし、ユニバーサルレンズキャップで今まで持ち運ばなかったレンズを持ち運ぶ機会を増やしてみてはどうでしょう。
どちらの製品も今までできなかったことが手軽にできるようになる製品です。
これまで撮れなかった写真、会心の一枚。
そういったチャンスが巡ってくるかもしれませんね。
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