LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
…わからない人にはただの英数字の羅列ですが、わかる人にはおぉ!となる、レンズの表記。そりゃ、初めてカメラを手にしたころはさっぱりわかりませんでした。
なんかアルファベットと数字がうじゃうじゃしてるけど…何これ?みたいなかんじですよね。今では表記を見ただけでだいたいのスペックやら描写傾向やら特徴やらが頭に浮かんでくるんですから人は変わるもんです←病気
今回は
レンズの表記の見方
(焦点距離・画角・F値・被写界深度)
を紹介します。結構初心者向けなので、ざっくりです。
F値って何?
一眼を買ったはいいものの、カメラの仕組みとか学ぼうとしてぶち当たる最初の難関。初心者の方に分かりやすく説明するのも意外と難しかったりしますよね。
悩み
- F値って言葉に拒否反応がある
- SSって言われてもよく分からない
- ISO感度なんて考えたくない
そんな一眼初心者の方や、感覚的に使ってきた方向けに本を書いてみました。
本と言っても1ページにわずか20文字くらいしか書かれていない詩みたいな本。なので3分もあれば読み終えるはず(笑)この本をきっかけにもっとカメラのこと知りたいななんて思っていただけると幸いです。
誤字脱字や意味がおかしいところ、ご感想などいただけますと次の本への意欲になりますのでよかったら。
レンズの表記
焦点距離と画角
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
焦点距離とはそのレンズの見える範囲(画角といいます)を表します。レンズの特徴を表す要素の中でも一番重要ですので必ずどこかに書いてあります。
ポイント
焦点距離が
- 小さければ小さいほど広い範囲を写せます(画角が広い)
- 大きければ大きいほど遠くにあるものを大きく写すことができます(画角が狭い)
ちなみに、スマホのカメラの焦点距離は機種によりますが、一般的に30mm前後です。スマホより
- 広く撮りたい→焦点距離が小さい数字のレンズを選ぶ
- 狭く撮りたい→焦点距離の大きい数字のレンズを選ぶ
といいでしょう。
上のレンズでは12mmの数値が小さい方で広い範囲が写せます。60mmになると数値が大きいので遠くのものを大きく写せます。ズームレンズの場合、最も小さい時を広角端(ワイド端)、最も大きい時を望遠端(テレ端)なんていいます。
F値
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
F値というのはレンズの明るさとピントのあう範囲(被写界深度といいます)を表す指標です。レンズは絞りという部品がついており、暗くする方向にF値を変更することができます。下のレンズに1:1.4と書いてありますが、それがそのレンズの限界の明るさF1.4を表します。
絞りを使っていない状態。開放のF1.4という状態です。めいいっぱい光を取り込もうとしています。
絞りを絞っている状態。うずまきみたいなのが壁になっていてF22という状態です。光が届かなそうですよね。
F値が
- 小さければ小さいほどレンズは明るく、ピントが合う範囲が狭く(被写界深度が浅く)なります。
- 大きければ大きいほどレンズは暗く、ピントが合う範囲が広く(被写界深度が深く)なります。
被写界深度の浅い写真
F1.4です。背景がボケボケ。
被写界深度の深い写真
F13です。背景のバイクの時計も読めます。
F値を変えるだけでこれだけ撮れる写真が変わってきます。
ボディと一緒についてくるキットレンズのズームレンズなんかは暗いレンズの代表格でF3.5~F5.6なんてレンズになりますが、高級レンズになってくると、ズームレンズなのにF2.8のまま変わらないレンズ(F2.8通しのズームレンズ)なんてのもあります。
もちろんF値の小さいレンズの方が高価な傾向です。また、レンズが明るいほど(F値が小さいほど)光をたくさん取り込めるのでシャッタースピードを早くできたり、ISO感度を低感度にして画質を向上したりできます。
関連
明るいレンズの重要性や、ISO感度とシャッタースピードについても書いています。かなり難しめの記事ですが、理解できるとかなり失敗写真が減っていくはずです。
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補足1…被写界深度について
被写界深度は被写体に近づく、焦点距離を長くする、F値を小さくするという方法で浅くすることができます。
超広角レンズLaowa 7.5mm F2.0 MFTで撮影。
F値は2.0で十分小さいですが、焦点距離が7.5mmとかなり小さいのでほとんどボケていません。
同じレンズ・F値で被写体を近づけて最短撮影距離で撮っています。
背景がかなりボケてます。被写界深度がかなり浅くなりました。さらに浅くするにはどうしましょう?
焦点距離を長くしましょう。
レンズを交換して、M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PROの望遠端40mmで最短距離で撮影しました。F値は大きくなりました(F2.0→F2.8)が、焦点距離がかなり伸びて(7.5mm→40mm)、最短撮影距離で撮っているのでもう凄まじくボケボケです。
このようにボケの量は意図的に増やしたり、減らしたりできます。色々試してみてください。
補足2…T値について
T値はF値の仲間で、「レンズの透過率を加味したF値」といえます。F値はレンズの大きさと焦点距離で決まるのですが、T値はそこに透過率も組み込まれています。
どういうことかというと、同じレンズの大きさ・焦点距離のレンズがあるとして、片方はそのまま、もう片方は暗いセロハンを貼り付けたとします。どちらもレンズの大きさ・焦点距離は一緒なのでF値は一緒ですが、光を取り込める量はセロハンがある分違いますよね。
そこでこのT値が登場します。通常、F値とT値は同じですが、レンズの光の取り込み方によってはF値と異なってしまう場合があるんです。
実際使う機会といえばSONY、MINOLTAのSTFレンズ、FUIMILMのAPDレンズとDxoMarkさんのページを見る時くらいでしょう。
例えば、FE 100mm F2.8 STF GM OSSというレンズの画像をみてみてください。横に5.6Tと書かれています。このレンズの特徴としてボケを綺麗にする特別なAPD(アポダイゼーション)フィルターが組み込まれており、レンズの外径・焦点距離的にはF2.8なのですが、レンズの明るさ的にはF5.6になってしまうんです。さっきの暗いセロハンと一緒です。
まぁ、そうそう使わないので頭の片隅に置いておけばいいと思いますよ。
レンズの種類による表記
ズームレンズ
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
先ほどから登場しているこのレンズは12mmから60mmの間で好きなところにズームができます。31mmでも43mmでも好きなところで撮影できます。
同じ撮影地点からいろんな写真が撮れるので、自由に移動できない結婚式とか、いろんな写真を撮りたい動物園とかズームレンズだと動物も撮りつつ、動物をみる家族を撮ったりすることができます。レンズ交換なしでいろんな状況に対応できるため、シャッターチャンスも多いはずです。
ズームレンズは
メリットとして
- 自由に焦点距離を変化させることができるのでレンズ交換の手間がいらない
デメリットとして
- 単焦点ほど画質が良くないケースが多い
- 単焦点ほどレンズが明るくない(ズームレンズの方がF値が大きい)
単焦点レンズ
LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.
このレンズでは焦点距離25mmしか使うことができません。ズームレンズに比べると酷く不便に見えますが、実際は被写体との距離を詰めたり、離れたりすることでいろんな表現が可能ですし、ズームレンズに比べて描写が優れているケースがほとんどです。
単焦点レンズは、焦点距離を変化させることができないので、自分の足で撮りたいもののところまで行く必要があります。物理的に近寄れない場合、撮れないケースもあるという欠点がありますし、レンズ交換を頻繁にする場合、シャッターチャンスを逃すリスクがあります。
単焦点レンズは
メリットとして
- F値が小さく、描写性能も高い
デメリットとして
- ズームレンズのように焦点距離を変えれない
- 必要な都度レンズ交換が必要
まとめ 慣れたら簡単
LEICA…メーカーブランド名
DG VARIO-ELMARIT…レンズ名
12-60mm…焦点距離
F2.8-4.0…F値
ASPH./POWER O.I.S.…その他の特徴
とりあえず大事なのは焦点距離とF値です。
レンズを買うときは、自分にあった焦点距離(画角)をまず選ぶんですね。例えば、「サッカーの試合をしている息子を大きく写したい」とするとどんな焦点距離のレンズが必要だと思いますか?
コートの規模や環境にもよりますが、十中八九、同じピッチに立って試合中の息子を追いかけながら撮影するのは不可能です。離れた観客席から撮ることになるので、焦点距離100mm~300mmくらいの焦点距離のレンズ、つまり望遠レンズが必要になるわけですね。