α6400の発売から早5年。
今だに…というか新品で販売され続けれる限り僕はα6400を初心者用カメラとしてオススメし続けるでしょう。
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そんなα6400 / 上位機種であるα6600の後継機、もしくはSONY APS-C機の新型を今か今かと待っていましたが、APS-Cの新型モデルはなんとシネマライン…つまり動画用カメラとして発売されました。
さすがに業務用・プロ仕様といった趣でカッコいいです。
が、FX30は動画用カメラであって写真を撮ること自体は得意ではありません。一眼の形をしているだけで、従来の一眼レフやミラーレス一眼とは全く違います。僕自身は最近動画をかなりの頻度で撮る上、今後さらに動画の撮影が増えることが決まっているので購入した感じで、初心者用とは言えない動画に特化した高機能機です。
これに僕はSIGMAの最新神レンズSIGMA 18-50mm F2.8 DG DN Contemporaryを装着しています。
軽くて明るくて安くて大好き。SONY APS-Cユーザーなら必携かも。
上記組み合わせで使い続けていますが、FX30はこれからガンガン動画撮りたい!という人にとっては間違いなくベストバイと言える機種で他メーカー・他機種にない便利機能が目白押し。SONY FX30になれると他の機種が使えなくなるほどに充実した機能に酔いしれましょう。
とにかく感じたことをガンガン追記・撮った写真の追加をしていきますので、記事完成まで気長にお付き合いくださいませ。
また、ソニーのカメラ・レンズはソニーストアで買うのが一番お得で安心です。後半で詳しく説明していますが、ソニーストアなら
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分割手数料無料のキャンペーン中なので10%割引クーポンと併用して使えばさらにお得ですね。
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FX30の好きなポイント・メリット
まずはお馴染み公式動画。
相変わらずいい出来です。まずはこの動画でざっくりFX30のことを知ってもらうのは良いと思います。動画で紹介されていない僕のお勧めの機能について書いていきます。
APS-Cのバランスの良さ
上の写真はα7S III + SIGMA 24-70mm F2.8 Artで、素晴らしい写真を撮ってくれる組み合わせ。
フルサイズのカメラはそりゃ高性能です。が、色々と不都合もありまして。
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こちらの記事で詳しく紹介していますが、フルサイズの
悩みポイント
- レンズ + ボディの大きさ・重さ
- 価格・運用費
- 被写界深度の浅さ
といネガティブ要素は非常に重要です。
小型のレンズも増えてきているので大きさ・重さ自体はセンサーサイズに依らずそこまで変わらなくなってきていますが、僕が特に気にしているのは3つ目の被写界深度の浅さ。被写界深度が浅い = つまりボケが大きいというのはフルサイズのメリットでもありますが、写真はともかく動画って結構背景とか状況も大事で一緒に遊ぶ友達とかも一緒に写したいし、なんなら発表会なんかは舞台全域にピントを合わせるようなことが多く背景がボケボケの動画って微妙なんです。
そういう時ってフルサイズだとかなりF値を大きくしないと背景がボケてしまいます。F4のレンズを持っていっても結局F8とかF11、下手すればF18とかまで絞るのでAPS-Cがよくないか????って。レンズ軽いし。
さらに我が家には子供が二人います。一人にピントがバッチリ合って背景ボケボケの写真よりも二人ともピント面に入れて背景のボケはそこそこで良いことの方がはるかに多い。また、シネマの世界ではAPS-Cと近いサイズのSuper35mmというセンサーサイズが一般的で、シネマ用の高性能レンズが手に入りやすい値段で数多く出回っている、というのも大きなポイントだったりします。
フルサイズだから良いってわけでもないんです。
Catalyst Browseで最強の手ブレ補正ができる
動画に馴染みがない方には聞きなれないアプリかもしれませんが実はSONYの純正動画編集ソフトです。
カメラが動画撮影と同時に記録したジャイロデータ、つまり手ブレなどのカメラの動きを画と一緒に記録しているのですが、このジャイロデータを利用して手ぶれ補正を適応させることができます。手ブレの効き具合は
ポイント
- Catalyst Browse >> 手ブレ補正アクティブモード > 手ブレ補正スタンダード
です。
Catalyst browseを使った補正は明らかに次元が違います。アクティブモードよりもはるかになめらかで設定次第ではジンバルと同等レベルの手ぶれ補正が手に入ります。
ただ、かなり強力に動画のブレを補正できるかわりに画素数と画角を犠牲にします。犠牲にした分だけ手振れがなくなりますので、ソフトウェアでの手ぶれ補正を考えているなら高画素・広い画角で撮影しておくといいでしょう。
ちなみにα7CやZV-1、RX-0 IIあたりからこのジャイロ記録されるようになっていて、最近発表された機種はほぼ使えるはず。
ピーキングよりフォーカスマップ
こちらSONY公式のフォーカスマップの動画。
このフォーカスマップは現在合っているピント面より手前のものを赤色に、奥のものを青色に表示する機能なのですが…
これ最高。
ピーキングとはピントの合っている部分の色を変える機能で、オールドレンズやマニュアルフォーカスのレンズを使うときによく使う機能ですが、ピント位置に色がつくと見えにくいうえ、実際の写真や動画を確認すると微妙にはずしていたり。
フォーカスエリアをワイドとか使っていると現在のピント位置がわかりにくかったりするんですが、フォーカスマップなら一目瞭然でピント位置を把握できます。
そして…SONY機の特徴なんですが、F値を調整するとその時のF値どおりのピント面が表示されます。これ、実はSONY機だけ。CANONにもOMDS / OLYMPUSにもなく、他メーカーではプレビューボタンを押して自分の欲しい被写界深度になっているかわざわざ確認する必要があります。子供二人撮る時はF値を適宜変更して二人がピント面に入るように調整するのですが、SONY機ならF値を絞ればそのままフォーカスマップでピント面の確認ができるのでもう大助かりです。
このフォーカスマップとSONY機の特徴が融合したことで複数のお子さんのいる家庭にさらにおすすめできる機種が今後発売されることでしょう。
ずっと使いたかった高分解シャッター
あまり知られてない機能ですが、フリッカー低減を目的に高分解シャッターを使うことができます。
普通フリッカーというと西日本と東日本の60Hz /50Hzを目安に1/60とか1/50とかシャッタースピードを設定して回避するわけですが、最近はそううまくいかないことも増えてきました。
それはLEDの高周波は電源周波数と一致しない場合があるから。
LEDイルミネーションを撮りたかったのにシャッタースピードをどんなに変えてもフリッカーを消せなかったそこのあなた。α9 IIから使用可能になった高分解シャッターを使ってみてください。動画では843.2分の1秒のシャッタースピードでフリッカーが消せています。
僕ですか?
1/125秒ではなく1/120秒のシャッタースピードにしたくて1/119秒に設定してます…笑。富士フィルムは1/120秒選べたんだよぉおお。
単焦点がズームに!全画素超解像ズーム
右手の人差し指の部分。
ミラーレス一眼のαシリーズなら電源ON/OFFレバーになっているところがFX30はズームレバーになっていて、電動ズームできるSONY純正PZレンズであればこのレバーで本来の焦点距離をズームできます。
が、凄いのは全画素超解像ズームもこのレバーで行えること。これどういうことかというと、
ポイント
- 50mmの単焦点 → 50-75mmのズームレンズ
- 18-105mm PZレンズ → 18-157mmのズームレンズ
として運用可能です。ズーミングのスピードも調整可能なので至れり尽くせり。
αもコントロールホイールに割り当てることで使えましたがボタンを押すことなくすぐにズーミングが可能になりました。動画ってズームの滑らかさが重要なのですごく便利ですよ。
FX30の弱点・不満点
動画を6Kのまま出力できない
2000万画素を超える6Kの情報を用いて1000万画素級の4Kの動画をつくるオーバーサンプリングという方法で動画を作っているわけですが、6Kのまま動画にすることはできません。
Catalyst Browseやアクティブ手ぶれ補正を使うと画角・画素数がどんどん狭く・小さくなっていくことを考えると6K動画をクリップしていって4K動画にする、という方が個人的には嬉しいです。4K動画はクリップすると4Kじゃなくなるから(当たりまえ)
まぁ素の6Kの動画がどれくらいの画質になるかわからないのでなんともいえないですが、6K出力モードと6Kオーバーサンプリングモードが選べるようになってたら嬉しいなぁ、なんて思うわけです。
次の写真が苦手、という話にそのまま続きます。
写真は苦手。機械式シャッター無 / 連写・ストロボ不可
室内でのスタジオ撮影やポートレートカメラマンには致命的な欠点。
ストロボ同調できないのでライティングを考えて写真を撮るのは結構厳しいはずです。手動ストロボなんて星景ポートレートなどのレアケースくらいでしょう?
あ。一応、動画専用機なのにISO AUTO低速限界は使えます。
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α6100にもZV-E10にも搭載されなかったのになぜかFX30は使うことができます。
とはいえ、連写もできないので子供撮影や飛行機・電車などの動体の写真も厳しいかもしれません。スチルは撮れなくはないけど連写はほぼ撮らない、ストロボも使わない、といった方以外は動画からの切り抜きの方が妥当でしょう。
ただ、スチルで撮れば2600万画素ですが、切り抜きの場合4Kになってしまうので1000万画素程度の画像になるので高画素・高画質を狙うなら制限の多い写真モードでの撮影しかありません…悩ましい。やっぱり6K出力できればかなり良い気がする。
機械式シャッターがないことの弊害はローリングシャッター歪みにも繋がります。
ローリングシャッター歪みに強くはない
ローリングシャッター歪み(コンニャク現象)はセンサーの読み出し速度がメカシャッターよりも遥かに遅いと起こります。
ローリングシャッター歪みに強いとされているα1やα9系、Nikon Z9、CANON R3などのレベルになってくるとセンサー読み込み速度は10ms以下、最も速いものだと5msほどで完了できるカメラもあります。
ちなみに、メカシャッターはストロボと同調できる速度あたりが幕速となっており、大体1/200 ~ 1/250秒でセンサーの上から下まで動き4~5msという速度。最上位機種はメカシャッターとほぼ変わらない速度で上から下まで読み込めるのでほぼローリング歪みは出ないと思って良さそう。
FX30のセンサー読み出し速度は4K120pが1.6倍クロップされることを考えるとおそらく13~15msほどでしょう。激しくカメラを振ったり、高速で動くものの撮影は気をつけたほうがよさそう。
4K120P時のAPS-Cから1.6倍クロップされた面積というのはだいたい1型センサー程度。何より画角が大きく変わってしまうので要注意です。
α7S IIIやFX3に遥かに劣る耐高感度
フルサイズに慣れているとISO感度への注意力というか意識の掛け方が減ってしまいます。まぁ明るさとかそんな気にしなくても平気というか。
FX30は2000万画素越えのAPS-C機です。1200万画素しかないフルサイズ機と比べると一画素あたりの受光量というのはそれなりに厳しいものがあります。僕が撮影している感じだとFX30はISO3200あたりが限界かな、という感じです。ノイズを極力減らしたいならISO2400あたりを上限にしておきたいところ。α7 IIIやα7CはISO3200は常用できていたので当然というか、やはりフルサイズ同等の耐高感度とはいかない印象。
α6400はISO1600を上限にしていたのでFX30は1段 / 1段弱ほど進化した感じ。OLYMPUS / OMDSのOM-1がかなり耐高感度性能を上げてきていたのでSONYにももう少し頑張って欲しかったのが本音。まだまだF1.8級の明るい単焦点は別で持っておきたいところです。
とはいえISO2000が使えるようになったのはデカいし、S-LOG撮影時のデュアルベースISOであるISO2500は結構使える印象です。
まあISO10000とか、なんならISO100000とかでも見れる画像を出力するα7S III / FX3がバケモノなだけで、FX30は悪くないと思う、うん。
まとめ
最近は動画を多く撮るようになってきていたのですが、Panasonic GH6やOMDS / OLYMPUS OM-1、FUJIFILM H2Sなど、様々なカメラを触ってきました。富士フィルムは色が極上ですし、OM-1の発色の良さや機動性、パナソニックのプロにも受け入れられるほどの記録方式の柔軟性、マイクロフォーサーズのレンズの豊富さ…などなど、各メーカー特徴があります。
が、結局SONYのシステムや機能が好きなんだな、と改めて実感しましたね。今のところタッチパネルをタッチしたらずっと追尾してくれるというタッチトラッキングのシステムを採用しているのはSONYだけです。
これが本当に便利でもう手放せなくなってしまいました。
もちろんタッチトラッキングだけでなく新型センサーに留まらず、最新のSONYの機能をこれでもか、というくらいに詰め込んだAPS-C機FX30はすっっっっっごく便利。特にフォーカスマップは想像していたよりずっと使いやすくてこれに慣れると無い機種使えなくなりそう笑
実は他にも
ポイント
- 動画版DMFの動画アシスト機能
- PCの負担軽減・共有簡単なプロキシ保存
- CFexpress Type AとSDカード使用可
注意ポイント
- ボディがフルサイズ級で大きく厚い
- ファインダー無
- 高精細ズームを使うと機能制限される
- 4K120pは1.6倍クロップ
といった細かいけれどとても良い部分や、まだまだ気になる点はまだまだあります。
どんどん追記していきますね。
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