Batis 25mm F2.0…僕の大好きなレンズでα7IIIにはほぼ付けっぱなしでした。
コントラストが高く、ボケも美しい。すごい立体感のある写りで不満はなかった気がします。強いて言えば、僕が広角レンズが少し苦手だったってこと。
25mmも楽しいけど、使いやすいもう少し標準寄りのBatis出ないかな…。
そんな中発売されたBatisの新レンズがこのBatis 40mm F2 CFです。CFというのはクローズフォーカス、つまり寄れるレンズであるという意味です。
これって僕のために発売されたレンズなんじゃないかっ…!?
ってなわけでやってきましたよ!
ほら、パッと撮っていい写真!←自画自賛(笑
解像感と立体感がたまりません。画角も50mmのレンズはちょっと狭い…35mmのレンズだとちょっと広い…。しかも子供小さいからそんなに離れられないから近くで撮ること多いんだよね…。
なんて思ったことがある人には最適。子供撮影にここまで適したレンズある?ってレベルです。
が、使っていくと気になる描写もちらほら。
大絶賛されてる記事やら動画が多い印象でしたがそんなこともないなーと。値段が値段なんでね。
やはり自分で使うに限ります。
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ZEISS Batis 2/40 F2 CF
スペック・特徴・仕様
仕様
- 発売 2018.11.22
- 絞り羽根 9枚(円形絞り)
- 最短撮影距離 0.24m
- 最大撮影倍率 0.3倍
- 質量 361g
- フィルター径φ67mm
- 最大径 約φ91mm×約93mm
その他特徴
- T*コーティング
- AFリニアモーター
- 防塵・防滴に配慮した設計
- 有機ELディスプレイ
評判・口コミ(外部リンク)
レンズテスト・レビュー(英文)
- DXOMARK
- LensTip
- OpticalLimits(元photozone)
- ePHOTOzine EDITOR‘S CHOICE
- IMAGING-RESOURCE
特徴・作例・レビュー
ファインダー覗いた瞬間から思うのがコントラストの高さ。
SONY FE 35mm F1.8で使っていた状態だとうっすら優しげな雰囲気にセッティングしていたのに、Batisに変えた途端コッテリした写りになりました。
色ってレンズでこんなに変わるのか…とあらためて実感。
雪の日の朝。テンション高めでやってきたおみし。
色の再現が非常に上手です。そして、結構近くまで寄ってきたのですが全然問題なくピント合っちゃいました。子供と遊びながらだと、近づかれすぎて撮れないことも多いので最短撮影距離が短いのは大きな武器と言えますね。
初めて雪を触ったおみし。
この後、手が冷たい冷たいとうるさかったのは言うまでもない。
稀に仲良く歩いてくれる。数秒後に喧嘩してたりしますけど。
40mmという画角はとても使いやすいです。僕は標準と広角の間にある奇跡的な焦点距離だと思っています。
弱点・欠点
近接撮影時に絞り羽根が自動で動く
これねー。
ZIESSの公式ページでも紹介されていますが、
24cm〜65cmの間にピントを合わす近接撮影で絞りがF2の開放の際、描写性能を落とさないために絞りを自動的にF2.8まで絞る
という仕様。つまり、至近距離ではF2開放で撮影できないということです。
実際の写真を見てもらうと一目瞭然。
上の写真はF2、下の写真はF2.8です。1段も違うのにボケの大きさがほぼ一緒です。
ついでなのでF3.2。明らかにボケが小さくなりましたね。
結果として、F2~F2.8までの絞りで近接撮影をすると全てF2.8で撮影することになります。これを回避する方法はありません。
さらに、9枚円形絞りではありますが完璧な円形ではないので、ボケが角つきます。
これ、割と撮影スタイルによっては割と絶望的です。
例えばテーブルフォト。美味しい料理の後ろにちょっとした明かり(ガラスの反射とかも)が入るとボケがカクカクになります、まん丸にボケてくれません。
さきほどのF2の写真もそうでしたが、開放でも丸いボケになりませんね。年輪ボケなど感じない素直な美しいボケなだけに非常に残念。
あとはドール撮影とか、小物撮影の方。
被写体を大きく写す必要があるので割と寄ることが多いと思うんですが、LEDとか背景にあると思ったほどボケが美しくならない可能性があるので要注意。
逆にそこそこ離れる(65cm以上)なら絞りは動かないのでこの欠点は目立ちません。
絞り開放の時のボケの縁が目立つ
これも結構気になる弱点。
強めの点光源がボケの縁だけが明るくなっていることに気づくと思います。今どきで言うとシャボンボケってやつですかね。
個人的には嫌いなタイプのボケ味で、木漏れ日や枝の隙間から日光が見えるような光源が散らばっている背景の場合、かなりボケがうるさくなります。
先程の写真、ボケだけ拡大してみましょう。
割とくっきり縁が確認できます。
こういうボケって、配置・処理を気にしないと結構うるさくなるんですよ。
僕の理想のボケはとろけるようなボケ。STFやAPDなどのように縁に向かって光量が落ちていくボケです。
大きくボケてしまえばあまりわからないですが、撮影の時に背景を気にしないで撮るとちょっと満足いかない仕上がりになる可能性があることは覚えておきたいですね。
まとめ 大絶賛したいけど注意は必要
多分Batisシリーズで1番好きな写りです。
上の写真なんて日が落ちる直前の娘ですが、ちょっとダークな感じで非常に満足しています。絞り開放、近接撮影ですが、背景との距離が十分にあったのでネガは出にくいと判断して撮影し、うまくいった例ですね。
色のノリ、解像感、質感、所有感…色々な分野でトップレベルのレンズと言えます。さすがツァイス!
ただ、CFとはいったものの近接撮影に向いてるかっていうとそうでもない気も。
子供の撮影のように出たこと勝負の撮影が多い場合、背景まで気が回らない可能性があります。作例でわかる通り、ちょっとしたお散歩などでは気になるケースは少ないはずですが。が、例えばクリスマスなどのライトアップや夜景ほかにもテーブルフォトなども、背景に明るい光源、反射などがあるとちょっと注意したほうがいいかも。
あと動画的な事言うとブリージングが多少あります。まぁ寄れるレンズの宿命。許容範囲内だと思いますが。
そして、近くのものを撮るときに絞りが勝手に動くわけですが、絞り羽根の駆動音がもしかしたら入るかもしれません。本当に小さい音なので気づかない人は気づかないですが、カメラのすぐ前に商品を持ってきたりするような動画スタイルだと気になる人いるかもしれませんね。
結構駆動音聞こえるな…。
まぁ、たしかに良いレンズではありますが値段も考慮すると個人的には大絶賛できるほど優れているとは思わないという印象です。
絶賛されてる方は気にならないんでしょうかね?近接撮影ありきでこのレンズを選ぶでしょうから多少気になりそうなもんですが…。
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