先日OLYMPUS OM-D E-M5 Mark IIIの記事を投稿しましたが相当不満でした。
そのくらい満足できる写真が撮れなかったんです。あれほどストレスを感じる日はなかった…もうびっくりするぐらいディスってしまいましたね。
それでもOLYMPUSが嫌いになれない。初恋の人を嫌いになれない感覚、とでもいいましょうか。
なんとか使いたい。
満足できる機種を知りたい。
そんな思いが募った結果!
我ながらアホか、と。
この悩むと止まらない性格なんとかならんものか…。というわけでこちらに用意しましたのは
- OM-D E-M1 Mark II
- OM-D E-M1 Mark III
- M.Zuiko 12-40mm F2.8 PRO
- M.Zuiko 25mm F1.2 PRO
です。コロナウィルスによる自粛中で外で気軽に撮影できないこの世の中。多分憂さ晴らしでしょう…『僕は悪くない』
ちなみに、オリンパスの最高機種E-M1 Xについては、大きさ的に子供撮影に向いていると思っていないので事実上のマイクロフォーサーズ子供撮影用最高機種決定戦となっています。
2022.11.21追記
久しぶりに新しい記事を書きました。随時更新していきますのでよかったら。
今回のレビューは全て室内、自宅で行なっておりますのでご了承ください。
気になるポイント
- Mark IIとMark IIIの性能差
- コスパが優れているのは?
- Mark IIIを買うべき人
さっさと結論を言ってしまいましょう。
- 動体のAF追従・瞳AF
- 夜間・真夜中の撮影
- 直感的な操作
そのあたりの機能を重視するのであればOM-D E-M1 Mark IIIをオススメします。風景だけ、AF-Sしか使わない、昼間しか使わないぐらいであればOM-D E-M1 Mark IIがコスパが高いでしょう。
OM-D E-M1 Mark IIでは僕は満足できませんでしたが、Mark IIIならかなり満足できました。とはいえ…という部分もありますけどね。
そのあたりの解説をしていきます。
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark IIIの特徴
オリンパスの最新・最高性能を投入
まずはおなじみの公式動画。
メーカー公式動画って僕にとって結構大事で、α6400も動画みて買うのを決めたタイプです。E-M5 Mark IIIの動画を見た後だと相当気合が入っているのが伝わってきます。期待できますね。
2020.4.2追記
公式ページでMark IIとの比較があります。ソフト面での追加が多いのでどちらか迷っている方は先に目を通しておいてくださいね。
かなり信頼性の上がったAF
Mark IIIを買うべきなのはMark IIのAF性能に満足できていない人
これに尽きます。
センサーも同じでたいして変わってないでしょ?と考えがちですが、AF性能はかなり進化しています。OM-D E-M1 Mark IIとOM-D E-M5 Mark IIIではストレスで死にそうでしたが、Mark IIIを使うとあら不思議。
同じレンズで交互に使ってみましたが差は歴然でした。
顔認識・瞳認識もかなり早くはじまりますし、ピントを合わすと緑色のAFターゲットがヌルヌルと被写体を追い続けてくれます。
これはかなり満足度高い。SONYのAFシステムにかなり近づいているんじゃないかな。
あと、複数人画面にいるときに全ての顔を認識し、その中からピントを合わす人をダイヤルで選べるようになりました。
馴染んでくるとファインダーを覗いた状態で感覚的にダイヤルで人を選択しながら撮影ができます。これもめっちゃ便利。
子供たちが多い家庭や幼稚園の催し物、年末年始で家族が揃ったときなど大いに力を発揮できるでしょう。
こだわりに応えるボディとカスタマイズ設定
オリンパスのインターフェースの特徴。
先ほどの顔選択もなんですが、かなり細かく設定の追い込みができます。例えば連射速度だけでも…
連射Hの枚数を1秒あたり10枚〜15枚の間で設定できます。もちろん連射Lも設定可。何と1秒あたり1コマ〜10コマから選べます。
連射の設定だけで5 x 10 = 50通り。そこまでします?まぁ、僕のように10コマ/秒は少ないけど15コマ/秒は多すぎ!みたいなひねくれにはうってつけですがw
それから、追加された進化のひとつであるジャンクションレバー。
これ中心を押し込むとAFターゲットが中心に戻るんですがこれもまた超便利。オリンパスって中心に戻すのどうやるのかわからなかったんですが、革命的に使いやすい。
正直、これのためだけに買い替えても満足感が勝る…かも?
便利で多彩な撮影方法
めちゃめちゃ多くの撮影方法があります。パッとあげるだけでも
- プロキャプチャーモード
- ライブコンポジット
- インターバル撮影
- ライブND
- 星空AF
- 手持ちハイレゾ
- 深度合成
- フォーカスブラケット
- 静音モード
- ボディ内フィッシュアイ補正
- デジタルシフト撮影
- フリッカーレス撮影
- 4K動画・Log撮影
- ハイスピード120fpsムービー
- バリアングルモニターによる自撮り
こんくらい。詳しくは公式ページでどうぞ。全ての機能を使いこなせる人がいるのかどうか怪しいレベル。
弱点・欠点・デメリットなど
画素数が2000万画素
マイクロフォーサーズ最高峰の2000万画素ですが、普通に考えて申し分ないです。
いかんせん同価格帯のライバル機が強いのでちょっと少なく見えてしまいますね。3000万画素超えてるAPS-Cのカメラとか出てますから。
後述する他社メーカーの比較の項目で書いております。
センサーは進化していない?
OM-D E-M1 IIとおそらく同じセンサー。
処理エンジンやソフト面で進化していますが、センサー自体発売されたのは2016年。さすがに数年前のセンサーで戦えるほど世間は甘くないわけで。SONYは言わずもがな、AFが遅い遅いと言われていたFUJIFILMもどんどん性能あがってきてますし、Nikonは動物にまで瞳AFが動作するような時代。
うーん、コスト的なマイクロフォーサーズの限界なのかなぁ。
AFに癖がある
たまに、ではありますが謎な瞬間にピントが抜ける…というかAFが合ってないと判断されてしまいます。
AF-C+TR(AF追従モード)でレリーズボタン半押しで顔と瞳を認識しピントが合います。(AFターゲット緑色)
ピントを常に合わせ続けているわけですが、その状態のまま良い表情を待ち続けると…
突然AFターゲット赤色(ピントを合わせられない状態)になります。
設定でレリーズ優先Cという項目があるのですが、これがOFFになっているとAFターゲットが緑色の状態でなければシャッターを切れない状態になってしまいます。
ターゲットが赤色でもピントはあっていることもあり、(逆に緑色でもあっていないこともある)このレリーズ優先CはONにしておくことをオススメします。
たった1日で何度笑顔を逃したか。今後もいろいろ実験・検証したいとこですね。
重量は重め。
ボディ自体かなりしっかりした塊感があってカッコいいんですが、重さが約580gといったところ。
CANON M6 Mark IIやα6400は約400g、EOS RPは485gしかないことを考えるとボディとしてはかなり重い部類だと思います。
実際しっかりしたグリップのため持ちにくい感じは一切ありませんが、レンズによっては疲労を感じるかも。
難しめのインターフェース
昔のオリに比べるとかなりわかりやすく進化してきていると思いますが、それでもOLYMPUSの操作画面は独特な部類に感じます。
こまかく設定できるのと、設定項目が多くて困るのは表裏一体。感覚的に使いたい方は少々尻込みしてしまうはず。
個人的にはこだわれて好きなんですけどね。例えばオリンパスのスーパーコンパネ大好きなんですけど世間的に受け入れられている感じはしないなぁ。
結構隠れたとこにあったりするのであの設定どこにあるんだろう?となんども説明書を読むことになるかもしれません。
価格帯がフラッグシップ
何をいってるんだwって感じですが。
いやね、レンズの大きさや金額まで考えていくとマイクロフォーサーズの方が軽く、安くすむのはわかっているんですが、ボディだけで考えると
後ちょっと足したらα7 III買えるじゃん。なんなら足さなくてもEOS RP買えるじゃん。
とかさ。
安易にオススメするとやっぱフルサイズ買っとけばよかったとか言われそうです。マイクロフォーサーズの良さをきちんと理解している人にしかオススメできないですよね。
なかなか難しい価格帯なんですよ20万付近って。
2020.4.20追記
フルサイズだからいい写真が撮れるわけではありません。詳しく解説していますのでフルサイズとマイクロフォーサーズで迷っている方はぜひ。
他社ライバルと比較
SONY α6400 / α6600
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非常に良い勝負ですが、僕はSONYの方がAF性能は上だと感じます。
と、いうのもリアルタイムトラッキングが化け物だから。一度顔にトラッキングを始めれば、後ろを向こうが横を向こうがその対象を捕捉しつづけます。
例えば菜の花畑で写真を撮っていたとします。こちらを向いてポーズをとっていた次の瞬間、奥に向けて走っていった場合。
OLYMPUSだと顔が写っていないので一度目標を見失いAFターゲットが赤くなるケースが多いでした。また捕捉するには後ろ姿になった瞬間にもう一度半押しをする必要がありますが、その瞬間に反応できるか…と言われると難しいかも。
運がよければAFターゲットが赤くならないこともあり、撮れるときは撮れますので謎は残りますがPanasonic G9 PROの人体認識のような機能があると安定しそうですね。
SONYなら後ろ姿になり、顔が見えなくても髪の毛を追尾しつづけます。これぞSONYの真骨頂。前を向けばまた瞳を追従しだします。
デュアルスロットルなど、OM-Dが勝るところもありますが、値段結構違うし…総合して考えると子供の撮影に関してはSONYの方がおすすめしやすい感じですね。
CANON EOS M6 Mark II
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ファインダーが好きなのでCANON EOS M6 Mark IIは僕の好みではありませんでした。3000万画素を超えている数少ないAPS-C機。
どちらか…と言われたらファインダーのあるOM-Dの方を選ぶはず。
CANON EOS 90D
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レフ機は大きさ・重さだけでなく、ファインダーとライブビュー時の違いなども含めてあまり好みではありませんでした。
慣れの問題だと思いますが、一眼レフの光学ファインダーが特に見やすいと僕は感じてませんので多分一眼レフ使う事はもうない、という結論に至りました。
ちなみに、これも3000万画素を超えたAPS-Cだったりします。
Nikon Z50
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とても質感の良いカメラです。子供を撮るだけならOM-Dよりコスパは高いでしょう。が、外観などはOM-Dの方が好みだったり。
ミラーレスと一眼レフのいいとこを取ったような質感で、とてもお気に入り。一眼レフ使ってきたけど、ミラーレスも使ってみたい…という方には一番しっくりくるミラーレス機かもしれません。
ただ、画素数は控えめの2088万画素だし、レンズラインナップもこれから…という感じです。マイクロフォーサーズのレンズのラインナップには全く及びません。
今後の展開に期待ですね。
CANON EOS RP
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EOS RPはフルサイズ、OM-D E-M1 Mark IIIはマイクロフォーサーズです。
センサー面積比的に4倍ほど違います。フルサイズは高感度に強く、ノイズも少ない傾向にあります。
OM-Dは15コマ/秒、RPは連写は5コマ/秒なのでまったく相手になりませんが、AF性能に関してはさほど差は感じません。RPの瞳AFはなかなか優秀だと思います。
ちなみに、僕の妻のように
- 凝った機能は使わない
- 単焦点メイン
- 連写もしない
といった人にはG9 PROやOM-D E-M1シリーズのようなマイクロフォーサーズのフラッグシップは必要ありません。高速連写だけでなく、前述したプロキャプチャーモードとか深度合成、ライブコンポジット(比較明合成)とか使った試しがないので(笑)
細かいこと考えずに単焦点メインでスナップ・ポートレートだけ、とかならEOS RPすごくいいですよ。妻の愛機ですから。
FUJIFILM X-T4と比較 (2020.5.5追記)
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2020年4月に発売されたFUJIの最新フラッグシップ。
使ってみたところISO感度の許容に関してはX-T4がかなり上、AF性能に関してはOM-Dの方が結構上。適当にカメラ向けて撮れるオリンパスのAF性能はやばい。
さらに動画性能は120fpsのスローモーション撮影などX-T4はできますが、ライブコンポジットや深度合成などOM-Dならではの機能が多いため、どちらが…とは決めづらい。
むしろレンズラインナップの点で恵まれたマイクロフォーサーズが羨ましくなるかも。OLYMPUSとPanasonicのレンズはほんといいレンズが揃ってるもんね。
まとめ 匠のための道具
前機種からハードではなくソフトで大幅に進化しており、子供撮影にも十分な性能を獲得したといってもいいと思います。
E-M1 Mark IIのAF性能に不満があった方は買い替えても後悔しないはず。
また、ライブND、星空AF、手持ちハイレゾ、プロキャプチャーモード…と、とにかくカメラだけで出来ることが多く、様々な機材を減らすことができるでしょう。
ただ正直、できることが多すぎて初心者向けではない気がします。職人向けといいますか。子供撮影専用カメラとしての購入はコスパが悪く、あまりおすすめしません。
子供撮影だけしたいのであればやはりこれまで通りα6400をおすすめします。が、
- 野鳥や自然と向き合いたい
- 星空をずっと眺めていたい
- 三脚なしで夜景を撮りたい
そんな目的があるならOM-D E-M1 Mark IIIはぴったりだと思います。
過酷な状況になればなるほど真価を発揮してくれるはず。(あれ?フルサイズみたいなポジションになってきたな)
OM-Dでなければ撮れない写真がたくさんあります。使いこなせることができれば間違いなく手放せない相棒となるでしょう。あなたの撮りたい気持ちにOM-Dは応えてくれるはずです。
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M.ZUIKO 25mm F1.2 PROと一緒に過酷で無茶な撮影に臨みました。結果は大満足。OLYMPUSのフラッグシップコンビ恐るべし。
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