僕は娘が産まれた3年半ほど前からたくさんのカメラとレンズを使ってきました。
もし子供撮影用のカメラが今欲しいという方、例えば
すぐ必要な状況
- もうすぐ出産なので子供の成長を写真に残したい
- 子どもたちの写真を簡単に・綺麗に撮りたい
- 運動会や発表会などのイベントを控えている
といった方はこちらの記事をどうぞ。
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【SONY α6400 レビュー】3年でカメラを5台買い換えた僕がたどりついた、初めての方にもオススメのミラーレス一眼!いろいろ比較したけどα6400が最高のコスパです。
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当記事で書かれたことを踏まえて選んだコスパ最高のカメラです。このカメラ以上に子供撮影に向いている一眼を僕は知りません。初心者であればα6400を選んでおけば間違い無いと思います。
すでに一眼を使っていて「もっと高感度でも画質にこだわりたい」という中級者の方にはこちら。
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【SONY α7C レビュー】妻の愛用カメラ!子供撮影に最適なフルサイズミラーレスの決定版です。
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携帯性と画質を両立した素晴らしいカメラです。ただ、α6400に比べると予算や重量などの負担が結構大きくなりますし、使いこなすにはそれなりの知識があった方が良いでしょう。
さて、この記事は?というと一眼レフ・ミラーレスなどのカメラを持っているけど子供を思った通りに撮れない!という方に読んで欲しい、カメラの設定や理屈などを中心に解説した中級者向けの記事です。つまり、
この記事でわかること
- 子供の撮影で気をつけることは?
- どうすれば綺麗な写真が撮れるのか?
- どんな機材を選べばいいのか?
そんなことがわかるようになります。
僕の失敗だらけの3年間を詰め込んでいますから、うまく撮れるようになるキッカケになれば…と思います。
結構長いですが最後まで読んでもらえると幸いです。
子供が生まれるんですがオススメの一眼ありますか
とある量販店で僕が聞いたことのあるセリフなんですが、
こんな質問をして初心者向けズームレンズキットあたりをゴリ押しするような店員さんの言うことは聞かないでください。
彼らも商売ですから利益と売れ筋を考えて薦めてきても仕方ないんです。
実際に最愛の我が子が産まれて写真を撮ろうとしても、そのカメラじゃいざ撮りたい時にさっぱり撮れない…そんな悲しい思い・悔しい思いをする人が一人でも減るように。
あんまりネット上では書かれていないようですのでそんな思いで記事にしました。
結論から言ってしまうと失敗したくない瞬間にF値の小さいレンズを選んでおくことが大事です。
乱暴に言ってしまえばそれだけなんですが理屈を知っておかないと
ガッカリする瞬間
- 今の笑顔…なんで撮れないんだろう?
- せっかく一眼買ったのにスマホの方がマシ…
- 一眼なのに画質悪いんだけど…
なんてことも多々あります。
僕はこの記事をかけるようになるまで3年かかりました。
3年間ずっと失敗してきたんです。
一回きりの子供の写真。ちょっとわかりづらい言葉や概念がたくさんでてきますので、初心者の方には難しいかもしれませんが、ぜひ後悔しないための知識をつけておきましょう。
全部が全部理解するのは後でも構いませんから。
子供・赤ちゃんの撮影とは
子供が生まれたら我が子をカメラでたっくさん撮りたいですよね。
我が家も例に漏れず思いきってカメラを新調し、うまく撮れない時には悔しい思いをしてその度に色々考えてきました。
まず僕が気づいたことは子供、特に幼児(1歳〜3歳児)の撮影はかなり難しいということです。
0歳児はゆっくりな動きが多いですし、そこまで難しいわけではないのですが問題は歩ける・走れるようになった頃から。「撮るよー!」と言って待ってくれるわけではありませんし、笑顔になるタイミングも突然です。
もちろんその場でポーズを取ってくれることもありませんので、基本的に動いてる最中の笑顔をドンピシャでシャッターを押さなければならないんです。
これ、かなり難しい。
そして室内撮影が多いということ。初めての寝返りも、立ち上がるのも歩き出すのもおそらく室内。我が家だと外で砂とか雑草とか口に入れちゃったりして慌てて止めました(汗)
こんな感じで1~2歳児あたりのシャッターチャンスは室内が多い。カンカン照りの中で遊ばせるのももちろん楽しいのですが、子供達は肌があまり強くありませんし。
なので結果としてあまり明るくない室内で、自由に動き回る被写体を撮る
という状況になるんですが、これがとても難しいシチュエーションなんですよ。これより難しいのは野鳥の撮影や室内スポーツくらいなんじゃないかくらい難しいんです。
ちなみに子供たちが4歳くらいになってくるとコミュニケーションが取れるようになり、ポーズをとってくれる子もいるかもしれませんね。
そうなってくるとかなり難易度は下がってきます。
相当レベルの高い幼児の撮影。どんなことを知っていると失敗写真が減るんでしょう?
カメラの仕組みと写真の出来
題名にもありますが
重要
- F値(レンズの明るさ)
- シャッタースピード(SS)
- ISO感度(カメラの性能)
- 露出(総合的な明るさ)
この4つを理解しなければいつまで経っても我が子を綺麗に撮ることはできません。
というか失敗したときの理由がわかりません。理由がわからないとおそらくまた失敗するでしょう。
難しい説明をできるだけ抜きにして説明しますね。
F値(レンズの明るさ)
上のレンズはPENTAXの名レンズsmc PENTAX-FA31mmF1.8AL Limitedというレンズです。
側面に1:1.8 31mmという記述が見えます。この1.8というのがこのレンズの明るさ、つまりF値になります。
F値はレンズのどこかに必ず書いてありますので探してみてください。
F値というのはレンズがどれくらい光を集めることができるかなんです。数字が小さいほど明るく、高性能・高価格になる傾向があります。F値でよく見るのは
←明るい F1.2、F1.4、F1.8、F2.0、F2.8、F4.0、F5.6 暗い→
この辺りの数値です。色んなレンズを見てると見慣れてきますよ(笑)
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【レンズの選び方 完全版】いい写真を撮る方法!焦点距離…否、撮影距離やF値で変わる被写界深度や写り方を実感してみよう。
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2021.5.3追記
今回はF値の光の露出についてだけ解説しています。表現方法としてのF値、ボケ方などはこちらの記事をどうぞ。
そしてレンズには絞りと言ってレンズの光を絞る部品が組み込まれています。
ここで我が家の古ーいレンズOLYMPUS OM-SYSTEM G.ZUIKO 50mm F1.4に登場してもらいましょう。
レンズの開放状態
これがF値を「開放」にした状態。このレンズだとF1.4という値になります。この状態が一番レンズを通る光が多い状態となります。
絞りを絞ると
こちらがF16まで絞った状態。レンズの中に渦巻き状の壁みたいなのがわかりますか?この壁がレンズを通る光の量を減らす働きをしています。
絞りによってF値を大きい方向(暗い方向)に変えることができます。
F1.8のレンズをF2.8やF8にすることはできますが、F1.8やF1.2のように小さい方向(明るい方向)に変えることはできません。つまり絞りでレンズを通る光の量を減らす方向に調整することができます。
大事なことを一度まとめておきましょう。
ポイント
- F値が小さければ小さいほど明るいレンズ(F1.8やF2.8は明るい)
- F値が大きければ大きいほど暗いレンズ(F3.5やF5.6は暗い)
- 絞りで暗くなる方向に調整できる
だいたいF2より小さい(F1.8、F1.2など)と明るいレンズと言われます。
ズームレンズだとF2.8も明るいレンズに分類されますが、F4を超えだすとちょっと暗いレンズかなぁと言った感じ。
焦点距離にもよるんですけど、とりあえずF値が小さければ小さいほど明るいと覚えておいてくださいね。
もちろんF値が小さいレンズ(=明るいレンズ)ほど値段も高くなる傾向があります。
大事なので何度も言ってますよ。
さて、ここでようやく最初にお話ししたズームレンズキットをゴリ押しする定員の話の説明ができます。
なぜズームレンズキットではダメなのか。
それはズームレンズキットに付属するズームレンズが問題なんです。というのもボディについてくるズームレンズはだいたいF3.5~F5.6くらいなんですが、これは子供を撮影するのにはかなり暗いんですよ。
まぁフラッシュ内蔵のカメラもあるから撮れなくはないんですけど、フラッシュ不可の場所もあれば、光の当たり方が気に入らない可能性もあるのであまりおすすめはしません。
子供を撮るんだったらこちらのレンズだと綺麗に撮れると思いますよ。
なんて言いながら、もっとF値の小さなF1.8の単焦点レンズやF2.8のズームレンズを勧めてくる店員は多分わかってる。
その店員は信頼できるとも言えます。そのレンズ間違いなく高いけど。
シャッタースピード(SS)(シャッターの性能)
シャッタースピードはSSと略されることが多いです。
これはわかりやすいです、シャッターを開けている時間を意味しています。
わかりにくいとすれば表示方法。カメラに「250」と表示されていれば、1/250(250分の1秒)シャッターを開ける、ということです。
じゃあ、500と1000のシャッタースピードがあったとすれば、よりカメラに光が入ってくるのが少ないのはどっちでしょう??
数が大きければシャッターが開いている時間が短いから1000!
そのとおり!
ポイント
- シャッターを開けている時間が長ければ長いほど光がたくさんカメラに入ってきます。(1/50や1/25など)
- シャッターを開けている時間が短ければ短いほど光は少なくカメラに入ってきます。(1/500や1/1000など)
- 記載数字が大きいほどSSは短い
ISO感度(いそかんど)(カメラボディの性能)
読み方はアイエスオーの方が正しいのですが、イソカンドと読む方も多いみたい。
カメラに入ってきた光をどれくらい吸収できるかを意味しています。元々はフィルムカメラのフィルムの感度で、このフィルムはISO1600だから夜も大丈夫!みたいな感じでした。
今ではセンサーの光を取り込む度合いを示していて、
ポイント
- ISO感度が大きいほど光を吸収しやすくなりますがノイズが増えます(ISO3200やISO10000など)
- ISO感度が小さいほど光は吸収しにくいですが画質がよくなります(ISO100やISO500など)
カメラボディの性能が最も現れるのがこのISO感度なのかな、と。
どのカメラもISO100かISO200で最高画質になります。これをベース感度なんていったりしますね。
最新のカメラほど高いISO感度で使っても画質が落ちにくくなっていて(高感度に強いカメラといいます)ISO25600なんて設定もできますが…ほとんどのカメラで非常用です。使い物にならない画質になるはずですよ。
せっかく一眼買ったのになんでこんなにガサガサなんだ…という方はISO感度の設定がおかしくなっていることがほとんどです。ISO感度が高くなってないか確認してみてください。
ISO25600とかのイメージは、週刊誌とかが深夜に芸能人を撮った時の写真。
あれとか写真におさめることを最重要視しているわけで、画質なんか二の次のわけです。周りは暗いのでなんとか光を吸収しやすくするためにISO感度を限界まで上げて撮影するんですね。結果ガッサガサな感じになる、と。
どうでしょう?なんとなくISO感度わかってもらえましたか?
できるだけ小さいISO感度で撮るようにすると、いい画質の写真が残せますってことです。
露出(総合的な明るさ)
実は先ほどのF値・SS・ISO感度の三つとはちょっと意味合いが違います。というのも、
F値・SS・ISO感度を決めると露出が決まるんです。これ、とっても大事です。
え?でも露出補正ってダイヤルでできるじゃん?
カメラの設定をよく見てみると、露出のダイヤルを回すことでF値・SS・ISO感度のどれかが変更されます。つまりF値・SS・ISO感度を変えて露出補正をしている。
だから露出補正をしているつもりでも、実際にしているのはF値・SS・ISO感度のどれかを変えているんです。
どうでしょう、何度も言ってみましたがF値・SS・ISO感度覚えてくれましたか?(笑
カメラを実際に触って確認してくださいね。
さて、露出の話に戻りましょう。
白飛びしてしまう
明るすぎる、この状態を露出オーバーといいます。明るいところが真っ白でわけがわかりません。
黒つぶれしている
こちらは暗すぎる、露出アンダーといいます。全体的に暗く、これも何が写っているかわかりません。
この2つの状況のとき光の取り込み方がおかしいわけです。
さきほどのF値・SS・ISO感度を適切に設定して、適正な露出にしてみましょう。
ポイント
- 露出オーバーの場合→光が多すぎるのでカメラに入る光を少なくしましょう。
- 露出アンダーの場合→光が少なすぎるのでカメラに入る光を多くしましょう。
F値を変えて対応するならどうする?
SSを変えるならどうする?
ISO感度なら…。
もしわからなければもう一度説明を読んでみてくださいね!
適正露出でとったらこんな感じ。GOOGLEのトップページでした。
おまけ Mモードで使用中に…
たまに「ISO感度を固定してMモードにしたら露出が調整できないからおかしい!」なんて聞きます。
M(マニュアル)モードはF値・SSを固定するモードです。そこにISO感度を固定すると、勝手に露出は決まってしまうんですね。だから露出が調整できないのは普通なんです。
Mモードで露出を調整したいならISO感度をAUTOにすると使用できますよ。
段数
F値・SS・ISO感度・露出を変更する時「段」という単位があります。「手ぶれ補正シャッタースピード5段分」とか聞いたことありませんか??
これはなんなのかというと、この4つは密接に関係しているのに単位が全然違うんですね。F値に単位はありませんし、SSは秒。ISO感度も単位はなく、露出はEVです。
でも全て光をどれくらい取り込むかという基本は変わりません。
なので今の状態から、
ポイント
カメラが取り込む光を2倍、または半分にしようとする時
「1段分明るくする」または「1段分暗くする」
と言います。
シャッタースピードはシャッターを開けている時間なので、光を2倍にしようと思ったら2倍の時間シャッターを開けなければいけませんので1段分→2倍、1/2倍となります。つまり
SS1秒の時、一段分明るくするとSSは2秒、一段分暗くするとSSは0.5 (1/2)秒です。
ISO感度はセンサーの光を取り込む度合いなので、光を2倍にしようと思ったら2倍の感度にしなけなければいけません。
ISO1000の時、一段分明るくするとISO2000、一段分暗くするとISO500です。
露出は最終的なカメラが取り入れた光の量なので
2倍の量になったら1段分明るいということで1EV、半分の量になったら1段分暗いということで-1EV
という感じです。
最後に回してしまったのですが、F値だけちょっとだけ変です。
というのもF値は実はレンズの半径と関係があるんですが、光を2倍にしようと思ったら2倍の面積のレンズを用意するのが良さそうですよね。
レンズが大きければ大きいほど光をたくさん取り込めそうでしょう?
馬鹿でかいレンズですがこのレンズ実はズームできません(笑)
そのかわりめちゃくちゃ光を取り込むのが得意なレンズだったりします。当然F値は小さいF1.4。かなり明るいレンズ。…当然高価です。
さて話を戻しまして、皆さん円の面積の公式とか覚えていますか??
あれだよ、あれ。
そうです、それですw
(半径)×(半径)×(円周率)ですね、πR^2(パイアールの2乗)なんて言い方もしますね。2倍明るいレンズなら2倍の面積のレンズということになるのですが、面積が2倍になるとき半径は何倍にすればいいでしょう…??
さっさと結論をお伝えしましょう。
F値は半径と関係があるので面積が2倍になるとF値は1/√2(ルート2)倍になるんです。
…よくわからない、という方は1.4倍すると1段分暗くなるになると覚えておきましょう。
F2.8の時、一段分明るくするとF2.0、一段分暗くするとF4.0です。F4.0の時、一段分明るくするとF2.8、一段分暗くするとF5.6です。
レンズのF値でよく見かける数値だと思いませんか??
子供撮影に必要な性能とは
いやー、長かった、お疲れ様です。やっと本題まできました。
ちなみに上の写真は雨の日の薄暗い結婚式会場でクルクル回る娘という超絶過酷な条件での撮影です。よくよく見ると少しぶれています。あまりに悔しくて今回の記事の発端となった写真だったり。
さて、最初にお伝えした明るいレンズを使うどどうなるんでしょうか。
たくさんのカメラを使ってきた僕が行き着いた結論はこちら。
重要ポイント
F2.8、SS1/250、ISO1000、露出0と同等の条件で満足できる画質が得られないカメラは子供の撮影に向いていないかも
です。もちろんこれは最低条件。
ポイントはSS1/250とISO1000です。
前述の通り、子供達はじっとしていてくれません。SS1/250よりも遅くなると高確率で被写体ブレを起こします。
シャッタースピードが遅いと動いている物体はブレちゃうんですね。子供撮影の難しさの根本はここにあります。
本音を言うとさらにぶれにくいSS1/320、SS1/400だと言うことないですね。
2020.1.10追記
Mモードでシャッタースピード・F値を決定してしまうと、明暗差の激しいところで露出・ISO感度が想定外になることがあります。搭載されていないボディもありますが、絞りを固定するAモードとシャッタースピードの低速限界をうまく設定すると失敗写真が減りますよ。
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ISO AUTO低速限界は人物の撮影が100倍楽になる!失敗写真を少なくする使い方・設定を紹介!
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ISOに関して言えば、写真をどういう環境で見ているかで変わってきます。
前述の通り、スマホでインスタだけでみるのならISO2000でもISO10000でも気にならないケースもありますから、自分のカメラでいろんなISO感度で撮ってみて自分の許容できるISO感度を覚えておくといいですね。
そして結果として
ポイント
F値・シャッタースピード(SS)・ISO感度・露出を理解して、なるべく明るいレンズ(F値の小さなレンズ)を使う
ということさえ押さえていれば、ひどく失敗することはないはずです。
過酷な撮影環境、例えばかなり暗い室内・夕暮れ時など…であればあるほど求められる性能は高くなります。(もっと言えば、ボディのAF性能・連写性能なども必要)
高価なものほど許容が広く(ISO感度の高感度が強いため)なっていますから、過酷な状況であればあるほど高価なフルサイズの許容の広さが身にしみるはずです。そこで
- フルサイズ
- APS-C
- マイクロフォーサーズ
- 1型センサー
のセンサーサイズ別にカメラでの実践例を紹介していきますね。
関連
突然センサーサイズのことなんか言われてもわからんぞ!という方はこちらの記事をどうぞ。センサーサイズが大きい順に上から順並んでいるだけです。センサーが大きいとノイズが少なくなる傾向にあります。高価になりますけどね。
例1 フルサイズボディ+F1.4単焦点
かなり金額的にはかなり高額ですが、どのくらい優位性があるでしょう?
F1.4はF2.8に比べると2段明るい。
α7 IIIのISO感度はフルサイズなので大体ISO3000くらいまでノイズは気にならないのでISO1000で撮影してもまったく問題ないでしょう。
というわけで条件よりも二段分も余裕があります。
実際撮影する時にはSSをもうちょっと高速にしてさらにブレを抑えましょう。
- SSを1段高速にして1/500に。(1/250からみると1段暗い)
- 現在まだ1段分余計に明るいのでISO500にして高画質に。(ISO1000からみると感度1段分暗い)
つまりF1.4、SS1/500、ISO500で撮影できることになります。もちろんこの状況なら十分な画質が得られるのでこのシステムなら大丈夫だということです。
さらに言えば、ISO2000まで許容だとするなら、F1.4、SS1/2000、ISO2000で撮ることもできるでしょう。
SS1/2000なんていうのは状況次第でツバメや鷹ですら止めることのできるシャッタースピードですから、子供がぶれることはまずないと思いますし、多少F値を絞っても問題ないでしょう。
突然難しくなってしまいましたがどうでしょうか。
もひとついってみましょう。
例2 マイクロフォーサーズボディ+F2.8ズーム
愛機E-M5 Mark IIにPROレンズ12-40mm F2.8を使うとどうでしょう。
F値2.8なので条件は一緒。
OM-D E-M5 IIのISO感度はマイクロフォーサーズなので大体ISO1000くらいまでノイズは気にならないかな。というわけでこの条件とほぼ一緒ですので余裕はありません。
つまり、SSをこれ以上稼ぐことはできません。(露出を-側に振ってSSを稼ぎ、現像で露出を持ち上げる、と言う技もありますが)
結果としてF2.8、SS1/250、ISO1000で撮影することになります。
状況にもよりますが、ギリギリかな、という感じですね。少しでも日が傾いて暗くなると厳しくなります。
例3 マイクロフォーサーズボディ+F1.4単焦点
ここからレンズを僕のメインレンズの明るい単焦点、LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4に付け替えるとどうなるでしょう?
F値2.8に比べるとF1.4は2段明るい。
ISO感度は大体1000くらいがノイズが気にならない常用領域かな。
というわけでこの条件よりも2段分も余裕があります。
実際撮影する時にはSSをもうちょっと高速にしてさらにブレを抑えましょう。
- SSを1段高速にして1/500に。(1/250からみると1段暗い)
- 現在まだ1段分余計に明るいのでISO500にして高画質に。(ISO1000からみると感度1段分暗い)
つまりF1.4、SS1/500、ISO500で撮影できることになります。先ほどのフルサイズと同様ですね。
シャッタースピードが稼げ、かつISO感度を下げて画質にも余裕のある設定になりました。
明るいレンズが必需品
そう、以上の条件を見るとわかってきます。
明るいレンズを使うと、ブレが抑えられると同時に画質も良くなる方向に設定できる
んです。
失敗したくない瞬間にF値の小さいレンズを選んでおくということ。たったこれだけの為に長かったですね(笑)
レンズのF値が小さいと、カメラに入ってくる光の量が多いので
ポイント
- シャッターで調整する光の量を少なくできる → SSを早くできる!(被写体がブレにくい)
- 光の量を吸収する感度を下げることができる → ISO感度を下げれる!(高画質で保存できる)
そして、フルサイズは許容ISO感度が高いためより過酷な条件にも対応できる…ってことですね。
ちなみに最新のカメラだと失敗写真が減るのも、このISO感度の許容範囲が広がっている、というのが一つの理由だったりします。
明るいレンズがあれば失敗写真はどんどん減っていきます。明るいレンズは高いけど、高いだけの理由があるんですね。
おまけ ダメな例
先日物撮り用に買ったコンデジのPanasonic のTX1という機種があります。(下は後継機のTX2)
娘をよく撮る時には70mmくらいをよく使います、この時のF値は4.5。
つまりF2.8から見るとすでに1.5段ほど暗いのです。ISO感度は500くらいが常用ですが、F4.5の1.5段暗いということをISO感度で補わなければいけません。ISO1000を1.5段明るくすると大体ISO3000くらいです。
つまり、F4.5、SS250、ISO3000で撮ることになるのですが、ISO500が常用のこのカメラではガッサガサになります。
1型センサーでISO3000で高画質なカメラなんて存在していませんからまぁ無理ですね。(将来的にはわかりませんが)
もしくは、ISO500のままシャッタースピードを遅くする、という方法もありますが、SS1/250から1.5段明るくすると、SS1/100くらいです。このシャッタースピードでは子供はおそらくブレてしまうでしょう。
よってこのカメラは(室内での)子供撮影用には向いていません。と結論づけることができます。
1型センサーで動体を撮影すると
1型センサー以下のコンデジでは動きの速い子供を撮ろうとすると
- 子供がブレないようにISO感度が上がってしまいガッサガサの写真になる
- AUTOで勝手にSSが遅くなってしまって子供がブレまくってる
のどちらかとなります。
これはTX1が悪いわけではなく、「薄暗い室内で子供を撮りたい」という僕が望む性能に足りていない、ということ。
TX1の名誉のために言っておきますが、子供の撮影じゃなければ、というか明るい場所・もしくはシャッタースピードを稼げる状況であればとてもいい画を出しますよ。
このサイズで焦点距離25mm〜250mmまであるんですから、すごくいいお散歩カメラ。
真昼間の外で撮影して、掲載サイズがこれくらいなら超高額なカメラとの違いなんてわかりりゃしません。適材適所です。
子育て世代におすすめのカメラ
細かいことはいいから子供撮影のオススメのカメラとレンズを教えてくれよ
あくまで参考ですが、
僕のモニター(MAC 4K Retina 21インチモニター)でチェックする場合…常に子供撮影に必要なスペックを満たすカメラ・レンズの一例をセンサーサイズ別に紹介したいと思います。
子供撮影がメインなら満足できるはずです。参考にしてください。
フルサイズなら
フルサイズはそのセンサーサイズが大きいためISO感度を高くすることができます。そのためかなり多くの状況にも対応できるでしょう。
なお、夕暮れ時や屋内、曇りの日などの光量が十分でない環境下で近づけないシチュエーション、かつ動体を撮影するという最高難度の撮影の場合、フルサイズ以外では太刀打ちできません。
なぜならこれまでF値、F値と言ってきたのに、多くの望遠レンズはF2.8が最大の明るさだから。どうやってもF値が小さいレンズが選べないんです。まぁ存在していたとしても300mm f1.8とか多分重さが10kgくらい軽く超えるんじゃないかな。なので、お子さんの活躍の場が
- 屋内スポーツ
- 演奏コンクール
- 発表会
などの「低照度・望遠・動体」の3つが揃ってしまった場合、APS-C以下のセンサーサイズでは太刀打ちできません。ご注意ください。
ただ良いところばかりではなく、大きく重いレンズも多いので耐荷重などの問題で三脚などの機材も新しく揃えないといけないかもしれません。
また、できることが多く表現の幅も広いので初心者の方は思った通りの写真が撮れない状況がでてくるかも。F1のようなスーパーカーは初心者は性能をフルで発揮できない…みたいな感じ。
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フルサイズだから綺麗な写真が撮れるか、というとまた違う話。そんなことを記事にしました。多くの覚悟が必要です。フルサイズに興味があるなら是非ご一読ください。
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フルサイズにマウント移行したら後悔する?APS-C・マイクロフォーサーズがフルサイズを超えるポイントや利点・欠点を紹介!
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さて、ボディがISO感度2000で十分な画質であることが多いので、
- ズームレンズ…F値が常にF2.8(F2.8通し)のレンズ
- 単焦点…F2.8以下(F2.8・F1.8とかF1.4など)のレンズ
から選ぶといいでしょう。
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その中でもSONYの瞳AFの性能は飛びぬけてます。もう他のメーカー使う気にならないくらい。子供撮影で最もおすすめです。
APS-Cなら
ボディ的な大きさとボケの大きさのバランスが取れているAPS-C。
ボディがはISO感度1500で十分な画質であることが多いので、
- ズームレンズ…常にF値がF2.0以下のズームレンズ(いまのところSIGMA 18-35mm F1.8 DC ArtとSIGMA 50-100mm F1.8 DC Artの2本か、フルサイズ対応のSIGMA 24-35mm F2 DG Artのみ)
- 単焦点…F2.0以下(F2.0・F1.8とかF1.4)のレンズ
あたりから選んでください。
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最初に記載しましたが、最高機種のSONY α9級の瞳AFを備えたα6400は子供撮影向けの最高のカメラ。明るい単焦点レンズが手ごろな価格で手に入るのもポイントです。
マイクロフォーサーズなら
機材全体として最軽量にできることが多いのがマイクロフォーサーズ。
とにかく荷物を軽くしたい、初めてなので鞄にスッと入るカメラがいい、スマホよりも綺麗に撮りたいなどなど、センサーサイズこそ小さいですがそのメリットは大きいですね。
ボディはISO感度1000まで十分な画質でしょうから、
- ズームレンズ…無し(!?)
- 単焦点…F1.4以下(F1.4とかF1.2)のレンズ
といった感じで、子供撮影のベストなレンズというと、選べるレンズはあまり多くありません。
2020.8.27追記
上級機種であるOLYMPUS OM-D E-M1 Mark IIIとPanasonic DC-G9に関してはISO感度は1500くらいまで十分な画質ですので、
- ズームレンズ…Panasonic LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7
- 単焦点…F2以下(F1.8、F1.4とかF1.2)のレンズ
が条件にあてはまることになります。すべて使用しましたが、素晴らしいパフォーマンスを発揮します。高価で重い組み合わせですけど。
コメントで指摘してくださったシシンさん、ありがとうございました。
唯一コンデジでマイクロフォーサーズのセンサーを搭載したPanasonic LX100M2は明るいズームレンズを装備しています。可愛い・楽しいだけでなく写りも一級品。レンズ交換でチャンスを逃したくない方はぜひ。
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【Panasonic LX100M2 レビュー】子供が撮れる最高峰のポケットに入るコンデジ!手軽で操作も楽しく画質も素晴らしい超高性能をお試しあれ!
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ズームレンズについてはマイクロフォーサーズのズームレンズは一切つかえないというわけではなく、僕自身「OLYMPUS OM-D E-M5 II+M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO」で撮影する日もありますし、もちろんバッチリきちんと撮れます。
ただ、夕暮れや薄暗い室内に入ると上記条件に適合するPanasonic LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4に取り替えますので、ちゃんと覚えておいてくださいね。
ボディは好みで選んじゃっていいと思います。大きさ・カラー・デザインなどから選ぶのもカメラを初めて使う人には大事なところです。いろんな機能ついていても使わないケースも多いですからあまり気にしなくてもいいかと。
AF-Cの追従が…とか言い出すとボディの価格もかなり高くなりますから…ビビッときたボディを買いましょう(笑)
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マイクロフォーサーズは小型で可愛い。レンズも安いし高性能。僕がカメラにはまったキッカケはオリンパスのカメラなんですよ。
1型センサーのコンデジなら
無し。残念ながら。
現在1型センサーの最高級であるRX100M7を使用しましたがISO感度がガシガシ上がってしまって晴れの日の屋外以外では満足できる画質になりませんでした。
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【SONY RX100M7 レビュー】小型軽量で高性能だけど、あまりオススメできない理由。子供を撮るならちょっと中途半端かも。
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このカメラ、世間ではかなり評価高いんですけどね…やっぱ自分で使わなきゃわからないな。
上の写真なんかスゴイ気に入っているんですが、このカメラで撮影したばっかりに画質に満足できない…超後悔です。
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RX100M7についてが詳しいことはこちらの記事に書きましたのでよければどうぞ。
また、RX100M7とほぼ同等の性能で動画に特化したZV-1もレビューしています。どうしてもこのカメラサイズが良い、ということならZV-1の方がおすすめかな。
まとめ 子供撮影にはそれなりの機材が必要
文ばかりで読みづらいですが、手持ちのカメラの設定をカチャカチャ変えて色々しながら読んで見るとわかりやすいと思います。
もっと緩い環境で閲覧する場合、例えば
- スマホでしか見ない
- プリントしてもハガキサイズくらい
- 暗い中ではほとんど撮らない
- 外、もしくはかなり明るい場所がメイン
という撮影環境であれば条件はずっと緩くなります。
全て読み終えた人にはわかると思いますが、何より大事なのはF値が小さい明るい単焦点レンズを持っておくこと。何度も言ってますね。
子供のシャッターチャンスは一瞬で一回きりです。
この記事が一人でも多くのパパカメラマン・ママカメラマンのカメラ選びの参考になれば幸いです。
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