SIGMAやTAMRONなどのサードパーティと言われるレンズメーカーのレンズを色々みていると、同じレンズで違うマウントのラインナップがあったりしますよね。
例えば今回使うSIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM C013なんかは
- シグマSAマウント
- ニコンFマウント
- キヤノンEFマウント
- ペンタックス
- ソニーAマウント(生産完了)
といった複数マウントでのラインナップとなっています。こうやって同じ設計のレンズをいろんなカメラに取り付けられるようにしているんですね。
さて、ここに用意したのはSONYのEマウント用のマウントアダプター。
悩み
- このレンズはどのアダプターを使うべき?
- 動画に向き・写真向きのアダプター はどれ?
- 純正レンズが向いているのはどんな人?
気になりませんか?
今回はそんなことを検証していきたいと思います。
関連
SONY Eマウント(フルサイズ)の「まとめ」・「もう迷わない!」はこちらから
検証
SONY α6400
毎度おなじみ、α6400。
なんだかんだでα7 IIIよりもAFは優れているコスパの高いカメラです。子供などの動体を撮るならコスパ最高。詳しくはこちらの記事でどうぞ。
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【SONY α6400 レビュー】3年でカメラを5台買い換えた僕がたどりついた、初めての方にもオススメのミラーレス一眼!いろいろ比較したけどα6400が最高のコスパです。
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ソニー・ミノルタAマウントのレンズ
Aマウントというのは、かつてのMINOLTAから引き継がれている一眼レフに使われたマウントです。
今現在、SONYでAマウントのボディはα99 II(フルサイズ)とα77 II(APS-C)の2機種のみとなっています。SONYのAマウント一眼レフはトランスルーセントミラー(以下TLM)という半透明のミラーを使っていて、レフ機とミラーレス機の間の存在という不思議な機種。
もちろんAマウントとEマウントではフランジバック(マウントからセンサーまでの距離)が違いますから、マウントアダプターを使って取り付けを行うことになります。
現在2種類のマウントアダプターですが、使いたいレンズ・ボディの組み合わせで使う組み合わせが変わりそうです。
ポイント
- 全てのAマウントレンズをAFで使いたい…LA-EA4
- SSM・SAMが使えるレンズで瞳AFで使用したい…LA-EA3
- コントラストAFのみのボディ(α7R、α7S、α7S II)で使いたい…LA-EA4
きちんと確認をして間違って買わないようにしましょうね!
例えば、名レンズと名高いSONY 85mm PlanarやSONY 135mm SonnarなどはLA-EA4でないとAFできないですが、SONY 50mm PlanarはSSM対応なのでLA-EA3(瞳AF可)でもLA-EA4でもAFができるわけですね。
そう、Aマウントには実は名レンズがたくさんあります。いろんなところで紹介していきますね!
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【2019年10月】SONY Aマウント(フルサイズ)のポートレート用単焦点でもう迷わない!おすすめレンズの違い・特徴を一斉比較!
続きを見る
なお、LA-EA1とLA-EA2というマウントアダプターが存在(生産終了)しますが、
- LA-EA1…LA-EA3のAPS-C版
- LA-EA2…LA-EA4のAPS-C版
であり、この2つはフルサイズのカメラで使うと周囲が暗くなってしまいます(ケラれる、といいます)。
こんな感じ。
もちろん、APS-Cのα4桁(α6500など)、NEXシリーズなら使用可能ですがLA-EA3とLA-EA4の完全下位互換のため今回比較しませんのでご了承ください。
LA-EA3 フルサイズ対応のマウントアダプター
外観
仕様
- 35mmフルサイズセンサー対応マウントアダプター
- SONY Eマウント(フルサイズ)
- 最大径x長さ 幅 76 x 高さ 69 x 奥行き 35mm
- 質量 約105g
その他の特徴
- すべてのAマウントレンズに対応(テレコンバーターは非対応)
- フォーカスは基本MF。ただし、SSMレンズまたは、SAMレンズ装着時はAF使用可能
- 底面に三脚穴を搭載
α7 III装着時
- ボディの像面位相差AFに対応。693点の像面位相差検出AFの広いカバー範囲と高速レスポンス、高い追随性能をAマウントレンズでも発揮。
- SSMレンズまたは、SAMレンズ装着時、動画撮影時は「像面位相差AF」に対応していません。AF-CはAFシステムで 「位相差AF」を選択時のみ使用可能ですが、「連続撮影:Lo 」モード以外(Hi+、Hi、Mid)での撮影時、ピントは1コマ目に固定されます
基本マニュアルフォーカスでSSMレンズ・SAMレンズ使用時はAF可能です。
ボディ側の性能によるようで、α7などのコントラストAFのみでは電子接点があるので、Exif情報が残るので十分、AFはおまけ程度に考えていた方が良さそうです。α7 iiなどの位相差AF搭載機種にはそれなりに使えるらしい。が、あくまでそれなり。望遠レンズで鳥撮りとか多分無理なんじゃないかな…要検証ですね。
2019.6.28追記
LA-EA3について実際の使用感など、分量が多くなったので別記事でまとめています。
LA-EA3でSIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM Contemporaryをα6400に装着した状態です。
フードの大きさがちょうど良いようで、LA-EA3のでっぱりで水平になっています。よく見ればわかりますがボディは浮いてますね。
LA-EA4 TLMテクノロジーを搭載したフルサイズ対応のマウントアダプター
仕様
- 発売日 2013.11.15
- 35mmフルサイズセンサー対応マウントアダプター
- SONY Eマウント(フルサイズ)
- 最大径x長さ 幅 78.5 x 高さ 86.5 x 奥行き 44.5mm
- 質量 約160g
その他の特徴
- トランスルーセントミラー(TLM)搭載
- 3点クロス15点AFセンサー
- 動画撮影時AF可
SONYのAマウント一眼レフ機と同様のTLMをアダプターに仕込んだ凄いアダプター。よくぞこの大きさにまで小さくできたもんです。
当然、位相差AFが可能なのでコントラスAFのみの機種はこちらを選択していた方が良さそう。アダプターとしては少々大きいけれど3点クロス15点AFセンサー搭載。が、フォーカスエリアはほぼ中心のみなので注意が必要です。Aマウントレンズを本気で使いたいならこちらかな…?いや、本気ならα99 IIに行くべきかも。
2019.8.28追記
瞳AFは動作しないです。瞳AFはかなり性能が良いので、すでにAマウントのレンズを所有しているならまだしも、わざわざLA-EA4とAマウントレンズを揃えるのはちょっと控えた方がいいかも。LA-EA4について実際の使用感など、分量が多くなったので別記事でまとめています。
SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM Contemporaryを装着したトランスルーセントミラー(TLM)搭載のごっついアダプター。
3点クロス15点AFセンサーになってしまうので、ものすごくスペックダウンするもののAマウントのレンズであればAFモーターのないレンズでもAFさせることができる唯一のアイテム。
キヤノンEFマウントのレンズ
SIGMA マウントコンバーター MC-11
外観
仕様
- 公式ページ
- 35mmフルサイズセンサー対応マウントアダプター
- SONY Eマウント(フルサイズ対応)
- 最大径x長さ 69.4×26mm
- 質量 125g
その他の特徴
- CANON EFマウントレンズ、またはSIGMA SAレンズをSONY Eマウントのカメラに取り付けることができます
SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM Art(動作対応レンズ)
泣く子もだまる大型レンズ。
APS-CでF1.8通しでズームレンズなのに単焦点並みの描写という狂ったレンズです。当然驚くほどに重い(810g)なので取り扱いにはそこそこの覚悟がいるでしょう。
CANON EF24-85mm F3.5-4.5 USM(動作非対応レンズ)
CANONのレンズをSIGMA非対応レンズとして選びました。
このレンズで大丈夫ならなんでも大丈夫だろう、という判断です。
オールドレンズなど、その他のマウントのレンズ
LM-EA7
マウントアダプター + smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limitedで愛するFA Limitedをα6400でAFで使うならこんな感じ。
要のLM-EA7はライカMマウントなので、Mマウントに変換するアダプターを準備すればどんなレンズもAFが可能になります。アダプター同士の干渉だけ気をつけてください。
アダプターの使用時の挙動
写真を撮るなら
どのアダプターも連写はLoのみAF追従しMid以上の速さになるとAFは1コマ目に固定され追従されません。連写+AF追従を重視するならEマウントのレンズを使うようにしてください。
そんな中、最も使いやすかったのはMC-11。
メーカーで動作確認が取れているだけあって流石の挙動といったところ。AF-Cは非対応となっていますが、十分にAF追従しますので連写しないのであればかなり満足できるはず。MC-11 +非対応レンズも意外に使えました。レンズによるかもしれません。
次がLA-EA3。α6400のAF性能をスポイルすることなくSAM / SSMレンズが動きます。今回使ったSIGMAのHSMでも大丈夫でした。でも、同じレンズがEFマウントとAマウントであった場合、AマウントよりもEFマウントとMC-11で使った方がいい感じがします。
そしてLM-EA7。オールドレンズがAFできるんだから文句は言えません。激しめに動かすとたまにピントが抜けたりしますが十分使えるレベルだと思います。
LM-EA4は瞳AFや400点を超えるAFポイントが使えません。AFポイント9割減はさすがに使いづらい。
動画を撮影するなら
どのアダプターを使用してもレンズの作動音・駆動音が非常に気になりました。AF作動時の音、絞りの動く音、どちらも一眼レフでの使用を考えて作られているのでしょうがないかなーと。
結果として内部マイクには耳障りな音として録音されてしまうはず。内蔵マイク・ガンマイクよりもラベリアマイク(ピンマイク)など使用した方がいいですね。環境音を撮りたいならカメラからなるべく離して録音する感じで。それが難しいならEマウントのレンズを使う方が良さそう。
作動については、MC-11 + SIGMA対応レンズならほぼ完全動作。F値の制限もなく、AF・顔認識などボディのもつ性能を特に問題なく使用できます。素晴らしい。前述の通り音が気になるくらい。
意外と快適なのはLA-EA4。顔認識はしてくれるみたいなのでセンサーにかかる中心部分であれば問題なく動画中もAF動作してくれます。動画で隅までAFさせる必要なんてほぼないので十分かもしれません。注意点としては、F3.5が最も明るいF値に固定されます。F1.8の単焦点やF2.8ズームレンズなど使用しても勝手に絞られてF3.5以上、F4やF5.6ならその開放値に固定されます。また、絞りを変更することは一切できないので注意が必要です。
MC-11+非対応レンズ、LA-EA3、LM-EA7では動画モードにした瞬間にMFに切り替わってしまいAF不可。これは公式にも記載されているのでどうしようもない。MC-11をSIGMA以外の非対応レンズで使うと、絞りは録画中でも切り替えられますがめちゃめちゃ音がします。あとズームするとなぜか勝手にF値がコロコロ変わるので使い勝手は微妙。
まとめ 自分の使い方にあった選択を
本来なら全く同じレンズで違うマウントのレンズを使いたいところですね。
あとはシグマ以外のMC-11非対応レンズ。タムキューとかAマウント安いし機会があればやりたいところ。まぁ過去にMC-11 + tamron SPレンズ(EFマウント)を使ったときは使い物にならないレベルだったのでこのケースだとAマウントの方がいいかもしれない。
とはいえ、LA-EA3は動画時AF不可なのは変わらないですから中々どうして使いづらいなぁという感じ。
結論としては動画・AF追従連写を使うならEマウントレンズを使った方が良さそうという何の捻りもない感じに。人によって求める性能は変わってくるでしょうから妥協点を見つけて楽しくアダプター使いましょうね。
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